アメリカ型社会 2009 1 31
2004年に「アメリカ型社会は日本人を不幸にする」という本を、
このサイトで取り上げました。
当時は、新自由主義や市場原理主義が全盛の時代で、
誰も聞く耳を持たなかったのです。
公平中立であるべき学者や言論人ですら、
「新自由主義、万歳。市場原理主義、万歳」と叫んでいるような状態でした。
まるで、戦前の「大日本帝国、万歳」と同じような雰囲気で、
全体主義、ファシズムの復活を思わせるような勢いでした。
それでも、私は、折に触れて、何度も何度も、この書評を掲載しました。
2004年ごろから、拝金主義に警鐘を鳴らし始めたのです。
書評 book review 2004 7 23
書名 アメリカ型社会は日本人を不幸にする
著者 ビル・トッテン 大和書房
少し悲観的だと思います。
たとえば、こういう文章があります。
「こういう社会では、カネが唯一の価値観になる。
そんな大人の姿を見せておいて、
子供に『お金よりも大切なものがある』と教えたところで、
信じろという方に無理がある。」
確かに、アメリカは、こういう「拝金主義」のようなものがありますが、
アメリカ全体では、そうなっていません。
「拝金主義」は、アメリカの半分ぐらいでしょうか。
まだまだ、アメリカの良心は、健在だと思います。
しかし、問題なのは、こういうことです。
「帰国して、書店に行った時も、しばしば不愉快な気分を味わわされる。
再販制度をなくし、過当競争を招いたアメリカでは、
本は売れ筋のもの、つまり、暴力とセックスを扱うものが中心になってしまったからだ。
これでは、子供たちは、たまらない。」